花粉症でお悩みの方へ(更新日:令和6年2月8日)
春になると多くの人が、つらい症状に悩まされる「スギ・ヒノキ花粉症」。毎年、花粉症の症状が出ている人は、花粉が飛び始める前から早めに医療機関に相談することが大事です。花粉の時期は、天気予報でも花粉飛散情報が提供されますので、そうした情報を確認し、万全の花粉症対策と早めの予防を心掛けましょう。
花粉症はどうしてなるの?
- 花粉症は花粉に対するアレルギーです。
- 花粉が体内に入るとからだがそれを異物と認識し、この異物(抗原)に対する抗体を作ります。
- 個人差はありますが、数年から数十年かけて花粉をくり返し浴び、抗体の量が増加すると、くしゃみや鼻水、目のかゆみや涙目などの花粉症の症状が出現するようになります。
- まだ花粉症になっていない方が、花粉をできるだけ避ける(曝露(ばくろ)を防ぐ)ことで、将来の発症を遅らせることも重要です。
花粉はいつ多くなるの?
- 花粉の飛散する時期は、花粉の種類によって異なります。
- スギ花粉については、2月から4月頃までに飛散します。
- 昼前後と夕方に多く飛散し、以下のような天気になると、花粉が特に多くなります。
どうすれば花粉症を予防できるの?
花粉を避ける
- 顔にフィットするマスク、メガネを装着しましょう。
- 花粉飛散の多い時間帯(昼前後と夕方)の外出を避けましょう。
- 外出を避けるため、テレワークの活用を検討しましょう。
まだ発症していない人も、テレワークを活用するなど、予防行動をとりましょう。
花粉症を予防するためには、職場の理解や支援が望まれます。
花粉を室内に持ち込まない
- 花粉が付きにくく露出の少ない服装を心がけましょう。
ウール素材の衣服を着用することは避けた方がよいでしょう。
からだに花粉が付着することを避けるため、なるべく肌の露出は避けましょう。
- 手洗い、うがい、洗顔、洗髪で花粉を落としましょう。
- 換気方法を工夫しましょう。
窓を開ける幅を狭くし、レースのカーテンをすることで屋内への花粉の流入を減らすことができます。
床の掃除を励行し、カーテンは定期的に洗濯してください。
24時間換気システムが設置されている場合は、花粉に対応した給気口フィルターを試してみてもよいでしょう。
花粉症の治療は?
[受診のタイミング]
- 毎年花粉症の症状が出る方は、本格的な花粉飛散開始の1週間前までには、医療機関や薬局を活用してお薬を準備し、使用を開始しましょう。飛散開始時期や症状がごく軽いときからお薬の使用を開始することで、症状を抑えられることがわかっています。
- なお、これまで花粉症と診断されていなくても、くしゃみ等の花粉症と思われる症状が出た方は、早めに医療機関で花粉症かどうか診断を受けましょう。
[治療方法]
抗ヒスタミン薬、鼻噴霧用ステロイド薬などがあります。
花粉に反応して出てくる症状を抑えるための治療法です。(注1)
舌下免疫療法と皮下免疫療法の2種類があります。
スギ花粉の成分が含まれた薬剤を定期的に投与します。花粉の成分に体が慣れるようにして、スギ花粉が体内に入ってきてもアレルギー反応が発生しないようにするための治療法です。
医師の説明を受けた上で、花粉の飛んでいない時期に開始する必要があります。治療薬であるスギ舌下錠は、最低でも3年間の内服が必要です。(注2)。
各治療法の詳細については、アレルギーポータル(外部サイトへリンク)を参考にしてください。
- 注1
内服薬や点鼻薬でも症状が良くならない重症の患者さんでは、注射の抗体薬(抗IgE抗体製剤)によって症状が改善することが、最近の研究で明らかになっています。それでも改善しない方は、耳鼻咽喉科の医師と相談の上で、手術療法も選択肢になります。
- 注2
最近の研究では、3年間の服薬を終了した後、2年間は症状が抑えられることが確認されています
[受診にあたって]
- 診察後症状が落ち着いているときなどは、オンライン診療の利用について、医師に相談することも可能です。
- スギ花粉症に対する舌下免疫療法の相談ができる医療機関はアレルゲン免疫療法ナビ(外部サイトへリンク)から検索ができます(オンライン診療で相談可能な医療機関の検索も可能)。
- 医療機関における医薬品の処方については、医師の判断により、長期処方や、一定期間内に処方箋せんを反復利用できるリフィル処方箋せんを活用する方法もありますので、医師にご相談ください。
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