更新日:2021年6月21日
ここから本文です。
先の市長選挙におきまして、日置市長を務めることとなりました、永山由高でございます。誠に光栄に存じますとともに、重責に対して身の引き締まる思いでございます。
令和3年第3回日置市議会定例会に当たりまして、私の市政についての方針や、重点課題に関する考え方を申し上げます。
私は、集会や個別で多くの市民の皆さまひとり一人の声や、地域でのさまざまな実情を拝見させていただく中で、思いや考えを互いに共有する「対話」から描かれるまちづくりというものを重要視してまいりました。
また、市民の皆さまと共に対話を重ねていく中で、まちとしての夢や希望を形にし、さらには、現在のコロナ禍やコロナ後におきます社会全体の変化を見据えた時代に合う事業転換や、地域に必要となるさまざまな「挑戦」に誠心誠意全力を尽くしてまいる所存でございます。
私は、分野別の本市のさまざまな課題と方向性が示されている各種計画や、これまで対話の中でいただきましたご意見や地域の実態を把握する中で、今後、取り組むべき方針として8つの柱で市政を推進してまいります。
まず、1つ目の柱としまして、「コロナ対策」であります。
喫緊に取り組むべきこととして、確実で迅速なコロナ対策を進めるため、ワクチン接種体制を医療機関と連携して構築してまいります。同時に感染対策・経済対策・生活困窮者支援などを一元的に検討などする「コロナ対策専門チーム」を早急に立ち上げます。
その前段として、本年6月1日には総務課・企画課・介護保険課からそれぞれ1名の職員を健康保険課への兼務とする辞令を発令し、全庁的にコロナ対策に取り組める体制づくりに着手いたしました。すでに市のホームページには全庁的なコロナ対策情報を集約・発信するダッシュボードを設置しております。
また、コロナ対策関連支出の財源として、在任期間中の市長給与・賞与を減額いたします。今後は、地域経済活性化対策として、観光・飲食業などへの事業支援をはじめ、失業者に対する早期就業支援など、分野横断的なコロナ対策を進めてまいります。
2つ目の柱は、「地域福祉」であります。
あらゆる方々にとって暮らしやすい環境づくりを進めてまいります。高齢化が進む中におきましては、市民の皆さまが安心して過ごすことができる環境整備が必要不可欠でありますことから、地域包括ケアシステムの強化とともに、民間企業と連携した移動式スーパーなど高齢世帯の買い物環境の整備などのさらなる推進を図ることで、地域福祉の支援体制を強化してまいります。
また、特定健診などの受診率向上、筋ちゃん広場などの集いの場を維持・拡大し、働く意欲を持ったご高齢の方々のための雇用を後押しする支援メニューづくりなどによりまして、健康に年を重ねることができる日置市を目指します。
さらに、障がい者就労施設からの調達などの強化をはじめ、公共施設のバリアフリー化、教育現場における性的少数者に対する啓発活動を推進します。
3つ目の柱は、「子育て支援」であります。
進行する人口減少の中におきましては、現在の子育てにおけるさまざまな課題を克服することで、安心して子育てできる日置市を目指す必要があります。
妊娠・出産・子育ての相談窓口の一本化を図り、地域ごとの保育園などの情報発信を行いながら、地域で子育てを支援し合う仕組みづくりなど子育て世代の不安に寄り添う体制を構築します。
また、子育て世帯やシングルマザー・ファザーの就業支援に加え、ニーズに応じた療育児童支援と特別支援教育の推進を図ることで、一歩踏み込んだサポートを行うとともに、PTAや育成会活動など子育て世帯の負担を軽減し、地域全体で子どもを見守る仕組み、学校を支える仕組みを目指します。
4つ目の柱は、「全世代の教育・学び」であります。
時代の潮流に応じた教育におきましては、地域で共につくる次世代教育の環境づくりが必要であります。
小学生、中学生、高校生による「日置市若者未来会議」の創設をはじめ、PTA、先生方、児童・生徒、地域の皆さまとの教育環境の語り合いや環境づくりなどにより、地域とともに子どもの教育に取り組みます。
また、変化の時代を生き抜く教育のために、教育現場のICT化の推進、市外へ進学する学生に対する奨学金制度の拡充などにより、地域を超えた幅広い教育機会の実現に取り組みます。
さらに、市民の皆さまがスポーツや文化に親しむ機会を増やすため、2023年の国体・全国障がい者スポーツ大会などのスポーツを楽しめる環境づくりをはじめ、地域の文化芸術を楽しめる仕組みづくりを行います。
5つ目の柱は、「産業活性化」であります。
コロナ禍やコロナ後を見据えた取り組みにおきましては、変化の時代を生き抜く産業が育つ日置市を目指していく必要があります。
市内での調達・消費・受発注などの経済循環を高め、地元中小企業・個人事業主が地元で活躍できる環境づくりの強化や商工会、観光協会、金融機関と連携し、商品開発やPRを推進するなど旧4町の魅力を活かした経済循環と積極的な事業展開を促進します。
第一次産業の振興では、トップセールスなど大消費地での販路開拓やブランド化を推進するほか、農業IoT導入による省力化、ネット販売をはじめとする販売促進に関する専門家の派遣、体験型観光の拡大、林業の里山景観の保全と産業支援の両立などで、農林水産業の取り組みを強化します。
観光関連産業につきましては、宿泊、温泉、飲食など各種観光施設の連携を促進し、メディアの活用により市内外の誘客を図り、また、これまでのスポーツ施設を活用した大会・合宿の誘致団体利用の促進に加え、地域の資源を磨きあい体験型観光メニューの開発や伝統芸能、工芸などの観光プログラム化を推進することで、観光関連産業の連携で地域の観光力アップを目指します。
雇用におきましては、市内の事業者と職を求める方を結ぶプログラムを実施することで、あらゆる産業における担い手・就業者などの育成や採用を支援します。
コロナ禍のリモートワーク時代では、都市部から地方へのオフィス移転ニーズを捉え、クリエイティブ産業など企業誘致・新産業誘致を積極的に行うほか、新規創業や企業の新規事業開発を支援する体制を作ります。
6つ目の柱は、「オール日置」であります。
住む人、通う人、関わる人、日置市を想うすべての方々と共に描く日置市を目指すために、「オール日置」で取り組みを推進します。
ふるさと納税などを通じた日置への想いを結集させる取り組みを強化し、県外・海外在住の日置出身者と連携し、地元企業の販路拡大や児童生徒の部活動などへ支援することで、さまざまな結びつきのある「オール日置」のネットワークを強化します。
さらに、コロナ後のインバウンド強化に向け、外国人の皆さまと共に情報発信する仕掛けづくりや多文化共生社会の実現に向けた、域内在住外国人の皆さまとそれぞれの活躍を後押しすることで、外国人の皆さまのネットワークを市政に活かしてまいります。
また、幹線ルートの整備など、国や県と連携して交通アクセスの向上を図り、訪れる・関わる人の利便性を高めます。
7つ目の柱は、「景観・環境・防災」であります。
日置市は、自然が豊富であります。この豊富な自然の里山や海岸線、棚田などの景観と自然と暮らしを守り抜くことが必要であります。農業を通じて自然資源を守るため、農業の持つ多様な効果を活かした食の安全、景観・農地保全などに取り組むとともに、里山の保全と河川の整備を軸に水資源の持続可能性を高めてまいります。
自然資源と同時に産業・住環境を守る取り組みとしては、生物資源の保全や有害鳥獣への対策を強化し、同時に市民が自然資源に親しむ機会づくりとして、子ども達の自然環境に親しむ場づくりなどを進めてまいります。
循環型社会につきましては、これまでの取り組みを継続する一方、フードロス削減に向け取り組み、ゼロカーボン社会への転換の観点から暮らしに必要なエネルギーの調達と供給について地域での議論を進めてまいります。
近年、自然災害の発生状況を踏まえまして、自主防災組織・消防団の活動支援や避難所の充実などの防災活動を通じて、地域主体での防災体制の強化を図るほか、防災地図(ハザードマップ)の見直しと配布、周知を強化してまいります。
最後の8つ目の柱は、「財政・行政運営」であります。
これまでの7つの柱を確実に実行するための足腰の強い土台作りを目指し、まずは、職員の皆さま一人一人と対話を行い、職員の皆さまと一体となりさまざまな行政課題に取り組むとともに、自治会単位で草の根の対話会を開催し、私自ら出席させていただきながら、市民の皆さまとしっかりと対話を行ってまいります。
財政の健全化と挑戦する行政運営としましては、民間活用による公共施設の維持管理コストの最小化をはじめ、各行政業務におけるICT技術活用による事務負担の軽減、市民の皆さまとの円滑な情報通信環境づくりに努めるとともに、市の施策におきましてはSDGsを踏まえて展開し、女性職員の活躍の場と子育て世代の育児参加を促進できるよう行政運営を時代に合わせ効果的に行います。
以上、8つの柱につきまして、私の取り組むべき方針を申し上げてまいりました。
この方針は、冒頭申し上げましたとおり、地域や現場でお預かりました市民の皆さまの声によりまして作り上げたものでございます。しかしながら、うかがっていないご意見も多分にございます。引き続き市民の皆さまと問題意識を共有し、地域の未来を一緒に描けるよう「対話」を重ねさせていただき、時代に応じた市政運営を進めてまいりたいと存じます。
議員の皆さま、市民の皆さまにおかれましては、今後の市政運営により一層のご理解とご協力を賜りますことをお願い申し上げ、私の所信表明といたします。
令和3年6月
日置市長永山由高
お問い合わせ
より良いウェブサイトにするためにみなさまのご意見をお聞かせください